あなたの唇をなぞるようにキスをできなくなったあの日
私はあなたへの恋心というものを失った
愛情はこんなにもあるのに一つ欠けただけで壊れ落ちる
君が振り絞って口にした別れという言葉はあの夜仕切りに降った雨に流された
きっと君は身体の痛みと心の痛みどっちがどっちか分からないほど痛みに苛まれたのだろう
夜が明けると薄気味の悪い湿気った曇り空で
春のような夏のような冬のような
私の気持ちのように季節も混乱していた
季節が流れて君はいつか私を忘れる春が来るのだろう
目を擦りながらコーヒーを淹れてパンケーキを焼く朝が来るのだろう
初めての喧嘩をしたあの日
君は私にパンケーキを作ってくれた
私はもうその味を思い出せない
それは繰り返す季節と朝のせい
恋心を失ったのもきっと繰り返す季節と朝のせい
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