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パンケーキ

  • Writer: .
    .
  • Feb 28, 2022
  • 1 min read

あなたの唇をなぞるようにキスをできなくなったあの日

私はあなたへの恋心というものを失った

愛情はこんなにもあるのに一つ欠けただけで壊れ落ちる

君が振り絞って口にした別れという言葉はあの夜仕切りに降った雨に流された

きっと君は身体の痛みと心の痛みどっちがどっちか分からないほど痛みに苛まれたのだろう

夜が明けると薄気味の悪い湿気った曇り空で

春のような夏のような冬のような

私の気持ちのように季節も混乱していた


季節が流れて君はいつか私を忘れる春が来るのだろう

目を擦りながらコーヒーを淹れてパンケーキを焼く朝が来るのだろう

初めての喧嘩をしたあの日

君は私にパンケーキを作ってくれた

私はもうその味を思い出せない

それは繰り返す季節と朝のせい

恋心を失ったのもきっと繰り返す季節と朝のせい

 
 
 

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