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日の出

Writer: ..

Updated: Dec 11, 2022



半世紀前に轢かれたレールを歩いていく

時差のある場所からは交わらない道

人の都合に合うようにと計算された時刻表

時計の針が小走りしている


涙が乾かない湿気の強い秋の始まりの日

あなたは留守番電話になった

迷いを感じることのない強弱がない声

朝と夜をつなぐ透明な糸

吐息で簡単に途切れてしまった


身体だけが日を跨いだ朝

霧がかかった記憶を辿る

ちぐはぐに繋ぎ止めた言葉を並べて

机の上においてみた

言葉がパズルのように見えて

私のものではないものになる


明らかに足りないパズルのピース

どこかで置いてきぼりにした記憶のかけら

もう答え合わせはできない

元からなかったのかもしれないけれど

失ったことには変わりがなかった


触れられれば抱きしめられれば

何か変えられたかと思えば

日の出が夕焼けに思えた

心が金縛りに捕まっている間に

夜が明けたらしい


未来は白紙の紙のように綺麗で薄っぺらい

 
 
 

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