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あの日、君は優しい嘘をついた

アイスクリームみたいな嘘

私には分からない

分かってはいけないたくさんのこと

甘いものは好きだけど

アイスクリーム屋さんになりたいと思ったことはない

簡単に溶けて形が変わるもの

冬に忘れられて夏に酷く求められるもの

考えただけで

冷たくて頭がキンキンする

口の周りにまとわりついてネチネチする

ひどくとけたそのアイスクリーム

見逃した、気づかないふりした

その甘い嘘たち

道路に落ちて灰色になった

子供の私があの時が落としたアイスクリーム

子供の頃大好きだったあのチョコチップアイスクリーム

Updated: Jul 11, 2023



置いてきぼりにしたその思いやりたち


それは食べきれなかった、昨日の夜ご飯

それは置きみやげ、使いかけのリップバーム

それは散っていった、去年の桜の花


それは置いてきぼりにした思いやりたち

かき集めて言葉にした、不完結な手紙


長く見つめれば見つめるほど

言葉があやとりのように絡まってゆく


それが言葉の美しさというものです。

Updated: Jun 27, 2023


言葉が私を追いかけて

角に追い詰められた私は

透明人間になる

ヘッドフォンに籠り

音楽にのせられた言葉たちが

私自身を波のように連れ去った

右も左も存在しない

殺風景の中心に私は浮かぶ


好奇心は一体どこから湧いてくるのだろう

人は自然に例えると



あなたは滝

わたしは川


時として他者を否定できたものなら

それは

自分を肯定したことになるのだろう


アーティストの友達は私に言った

言葉で表現できないこと

言葉じゃないもので

表現してみるといいよと


色を纏え

夢の中で

紙の上で

髪よ靡け


あなたが口ずさむ

色を纏った言葉が

かんだかく

風のように

通り過ぎた

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